Flora Optima

― あなたの中の百人の名医を呼び覚まそう ―

食品廃棄問題

Food Waste(食品廃棄の現状と解決策)

スーパーはいつ行っても、きれいで、新鮮な野菜や果物、肉、卵しか並んでいない。花さえ、枯れそうになっている花なんて一つもない。これらの食品の全部が全部、売れているとは思えないので、夜の間に古い食品は選別されて、裏で捨てられているのだろうか?と、前から疑問に思っていた。

それって、恐ろしい量なんじゃないの?! それらはどうやって捨ててるの? そして捨てられた食品は、どこにいくんだろう? ただの焼却処分? それとも、家畜の飼料? ペットフード会社?

それらを調べるために、私は食品廃棄物に関するTED Talkや資料を片っ端から読んだり見たりしてみた。そしてそれらを見ているうちに、ショックでだんだん頭がくらくらして気分が悪くなってきた。先進国の私たちは、こんなにも、毎日まだ食べられる食品をガンガン捨てていたのか!と。

ここでは、それらの一部を数字やデータで皆さんにお見せするとともに、後半は私たちがこれらに対して今からできることを一緒に考えてみたい。

 

ー 日本の現状 ー 

● 日本では年間1900万トン(政府広報発表)、もしくは2700万トン(民間調査)の食品廃棄物が出ている。そのうち、まだ食べられるのに捨てられてしまうもの、いわゆる「食品ロス」が約632万トン。この数字、実は1300万人の東京都民が1年間に口にする食品量に相当する。

● 日本の食糧自給率は先進国の中でも一番低い(39%)一方で、食料廃棄率、一人当たりの廃棄量が世界一(なんと半分近く、金額にして11兆円を捨てている!)

● 日本人1人当たりに換算すると、”お茶碗約1杯分(約136g)の食べ物”が毎日捨てられている計算となる。 これは、「世界全体の食料援助量の2倍」にあたり、「日本の米収穫量」に匹敵するという。

 

ー 世界 -

● アメリカでは、国内食品の約40%を捨てている。(金額にして約18兆6千億円)これは、2011年に行った世界の食糧援助量の5倍にあたる。

● 廃棄の内訳は、生産過程(8%)、食品工場(4%)、スーパー(6%)、レストラン(15%)、家庭(25%)となっている。

● 平均的な4人家族の一般家庭では、食品の1/4を捨てており、お金に換算すると月$170を食べない食品のために払っている。(一世代前の倍のムダ)

● 1/4の水資源が食べない食品を育てるために使われ、食品の1/5がコンポストもせず埋め立てられている。

● 漁船が捕った魚の1/5が、船が陸に戻る前にすでに海に捨てられる。

●世界では年間、食品の3分の1(13億t)、7500億ドル相当が廃棄されている。一方で、約8億人が十分な食料を得られておらず、廃棄されている食品の4分の1だけでも有効活用できればこれらの人々を救うことができるという。

 

・・と、書いたらまだまだいくらでもあるのだが、気分が暗くなるだけなのでこれぐらいにしたい。

これは、Peter Lehner氏の言葉を借りるなら、まるで「誰もいないビルでエアコンをつけっぱなしているようなもの」である。昨今、LEDライトやハイブリッド・カーの発明、また冷蔵庫一つとっても、容量は倍以上に増えたのに、使う電気量は1/4で済むなど、技術革新が著しい。しかし私たちは、それらの前に、この食品ロス問題を何とかするべきではないか。

問題は、もったいないだけにとどまらない。これらのムダな食品を作るために、水を使い、石油を使い、労働力を使い、二酸化炭素やメタンガスを排出して、地球汚染に拍車をかけている。また、そのために森林伐採が行われ、魚資源の枯渇、生物多様性の減少を引き起こしている。

大昔の人が夢にまで見た、あふれるような量の食品、どれにするか選べないほどの色とりどりで美味しそうな食品。それは、私たちがやっと勝ち得た「人類の成功」を意味する。しかしその一方で、私たちは地球資源に限りがあること、地球や他の動物に余計な負担をかけていることを考えなくてはいけない。

 

さて、ここから、私たちが今食品廃棄を減らすためにできることを考えていきましょう。

それは、私たちの「意識の持ちよう」で大きく変えることができます。

スーパーは、きれいな食品しか並べない、といいますが、スーパーばかりを責めるわけにもいきません。なぜなら、スーパーは消費者の意識を汲んでそうしているところがあるからです。

 

エクアドルにある一つのプランテーションで、一日に捨てられるバナナの量。
大きすぎ、小さすぎ、形がU字型、またはまっすぐすぎるというだけで・・

 

● DemandUgly(醜いものを求めよう)

アメリカでは、すでに草の根的に「DemandUgly運動」が始まっています。野菜を育てたことのある人ならわかると思いますが、自然界では、スーパーで並んでいるようなきれいでサイズのそろったもの野菜や果物ばかりなわけではありません。実際、育った作物の20~40%は畑で、食品工場で、スーパーで(変な形・サイズ、傷があるなどで)はねられて捨てられています。消費者たちが嫌がるからです。そこの意識を変えていきましょう。変な形の野菜大いに結構! 捨てるぐらいなら、それらを「規格外品」として安く売ってくれれば、喜んで買う消費者もきっといるはずです。

 

スーパーの基準:(左)売り場へ! (右)ごみ箱へ!

 

● 賞味期限を気にしすぎない

皆さんは、“3分の1ルール”というのをご存じでしょうか?

“3分の1ルール”とは、15年ほど前にできた業界の(悪しき)商慣習で、賞味期限の3分の1までを小売店への納品期限、次の3分の1までを消費者への販売期限とするものです。たとえば、賞味期間が6カ月の食品ならば、製造してから2カ月以内に小売店に納品しなければならず、次の2カ月のうちに消費者に売らなければなりません。その期限を過ぎると、返品や廃棄処分となります。
それは、食中毒者を出してはいけない、という小売業やレストラン業界の過剰な気配りもあるでしょうが、消費者の購買行動にも一因があります。それは、商品棚の奥から賞味期限が1日でも先の食品を取るといった行動だったりします。

「賞味期限」ばかりを優先して買い物をする消費者の意識改革をすすめなければ、食品ロスを減らすことは難しいと思われます。

 

ここで、「賞味期限」「消費期限」の違いをご存知でしょうか?

簡単にいうと、
〇「賞味期限」ーーおいしく食べることができる期限のことで、期限を多少過ぎても問題なく食べられる

〇「消費期限」ーー 安全に食べられる期限のことなので、期限を過ぎた場合は十分な注意が必要となる

ここを混同して、賞味期限を過ぎたから・・と言って捨てている人が、本当に多いようです。(アメリカでは、60%がこの読み方がわからず、まだ食べれるものを捨てているという統計もある)

日本は世界的に見ても、賞味期限・消費期限の設定が非常に短いようですから、企業側もそれをもっと緩めていくべきでしょうし、消費者側にも、自分さえよければ、という態度を変えていくことが必要かと思います。あと、書いてある賞味期限・消費期限よりも、自分の鼻・目を信じましょう。

 

● アメリカの「ドギーバッグ」文化を取り入れよう

私がアメリカに来て驚いたことに、レストランでの「Doggy Bag(ワンちゃん用の袋)」というものがあります。料理を注文して、食べきれなかった場合は、必ず「お持ち帰り用の入れ物」が要りますか?と聞いてくれて、残った食品を自分で入れたりお店の人が入れてくれたりします。これは、「ワンちゃん用」と言っているだけで、実際は次の日に人間が食べているケースがほとんどだと思います。(むしろ、味が濃いものとか犬にあげないよね^^;) その他、アメリカではガレージセール(要らないものを定期的に自分の家のガレージに並べて、週末だけお店をする)など、なかなか節約文化が発達しているところがあります。 日本では、レストランの食品を持って帰るなんて、貧乏くさくて恥ずかしい・・と思うかもしれませんが、レストランに残して帰ってもごみになるだけなので、そこもどんどん意識改革してほしいですね。

 

あと、余談ですが、最近の記事で、韓国でパンチャンと呼ばれるおかずの多客へ使いまわしが合法化された、とありました。日本人ですごく憤慨している人がいましたが、私はそんなに悪いことだと思わないんですよね。。 むしろ、頼んでもいないのに、あんなにたくさん小皿を出してきて、手を付けないと、あとで全部捨てているんだろうか・・?と内心心配していました。なので、きれいな状態なら使いまわし結構、と思いますし、むしろ毎度全部捨てて新しいものを出して!という感覚の方が私は心傷みます。(実際私は、Phoの付け野菜皿など、食べ終わってから「これらには手を付けていませんよ」と店の人に教えてあげます)それか、そんなに気前よく出しているように見せかけながら、裏でせこく使いまわさなければならないほどの実情なら、パンチャン文化自体をやめた方がいいと思います(^^; まあ、その国の文化なのでよそ者がごちゃごちゃ言えませんが・・

 

● 残飯を豚のエサにしよう

これは、日本ではOKだと思いますが、意外にもオーストラリアやイギリスでは、豚に人間の残飯をやることが法律で禁止されています。それは、口蹄疫や豚インフルエンザなどの病気蔓延の恐れがあるから、ということですが、生の食品はまだしも、全然問題のなさそうなパンや調理した食品まで、すべてがあげられないというのは、おかしいという声が、農家からまた上がってきています。日本ではまあ、コンビニの弁当を豚のエサにしていたら、豚の不妊や奇形の子供が生まれやすくなった、という別の問題が言われていましたが・・💧 ともあれ、食品のリサイクルという大筋では、いいことだと思います。


イギリスでは、一つの工場から一日に13000枚もの食パンの「端っこ」が捨てられます。

 

 

その他、提案としては:

● 小売業者が団体に寄付する(腐らない缶詰、箱ものなど)

● スーパー内で違った食品に作り変える(熟れすぎの果物をジュースにする、など)

● 自分で野菜や果物を育てる → 有難みをより感じてムダを減らそうとする

● 家庭で食品(特に腐りやすいもの)をもっと計画的に買う

● コンポストにする (食品の無駄には違いないですが)

 

食品ロスを減らすための新たなテクノロジーとしては、今や、Smart Fridge(賢い冷蔵庫)というのがあって、スーパーにいても、家の冷蔵庫に何がまだあるか教えてくれたり、残りの食品で、どんな料理ができるか、レシピを教えてくれたりするそうですよ(笑)

また、大学の寮や会社のキッチンなどでは、Food Camといって、余ったケーキなどをカメラの下にかざすと、それが自動的に友達や同僚のFacebookやTwitterに配信されて、それを欲しい人たちがキッチンに駆け付ける・・といった面白い光景も見られています。

人間は、今なぜかプラスチックストローを減らすことに躍起になっているようですが、この恐ろしいほどの食品廃棄をまずなんとかした方がいい、と思いませんか?

 

 

アメリカ全国を自転車で回って、スーパーの裏のごみ箱から拾ったものを並べ、皆に
見せる活動をしている環境活動家、Rob Greenfieldさん。(自称:ゴミ箱ダイバー)

 

トンプソン 真理子
在米20年のメディカル・リサーチャー&著作家。「すべての病は腸から始まる」「食で治せない病気は医者でも治せない」と唱えたヒポクラテスを師と仰ぎ、食と健康との深い関わり、大切さについて気づいてもらうべく日々発信している。 得意分野はリーキーガット、代表著書に「リーキーガット症候群」。

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アメリカはホリデーシーズンに入るため、輸送機関も21日(金)が今年最後の出荷になります。来年の出荷は1/4(金)から再開しますので、ご注文は早めにお願いします。 非表示